8月10日(月曜日)グランボレ:パラグライダーフライトレポート
- 小林晋

- 8月10日
- 読了時間: 6分
今日のグランボレ:パラグライダーフライト実績
飛行可否 | 不可。午前中にゲレンデは南風で浮遊体験が成立。 |
おすすめ時間 | 高高度飛行は8:00ぐらいまでテイクオフができた。 |
注意点 | 日中の北風風速強化。 |
予報信頼度 | やや信頼感に欠けました。(10:30ごろまで地表面は南風)。 |
講習生お勧めポイント | 10:30ごろまでゲレンデは南風で練習ができました。 |
ソアリング・XCポイント | フライダウンはできましたが、ソアリング・XCは不可。 |
【グランボレ:パラグライダーフライトレポート】
今日は北風の予報がでていました。ところが朝早い時間帯は地表付近に低い雲が滞留していてほとんど風が吹いていません。昨晩の雷雨の影響なのか相対的に冷たく湿った空気が残っていたのかもしれません。これは期待できそうです。高高度飛行のお客様はお越しになられないと思いますが、浮遊体験のお客様はお盆休みとあってご予約をいただいております。移動して実施するよりは専用ゲレンデで気持ちよく飛べた方がよいですから。
結果としては十分にメインゲレンデで浮遊体験がしっかりと成立できました。時間にして8:00から10:30ごろまで南風が継続して気もとよくフライト。その後急速にきたから北西の風が強まり昭和村に移動して可能性を探りましたが不成立でした。

夕方になればなるほど風速が強化されて台風の接近を感じさせる風となりました。
【今日のグランボレ:フライトコンディション解析と反省点】
【昨日公開したパラグライダー気象予測とフライトコンディション予想比較】
飛行可否 | フライト不可 |
おすすめ時間 | 涼しい時間に限りライズアップの練習が可能 |
気象リスクについて | 北風のつよまり。 |
予報信頼度 | 信頼できる。 |
講習生お勧めポイント | ライズアップの練習をしばらくしていない人はおすすめです。 |
ソアリング・XCポイント | フライト可能性は低いです。 |
明日のグランボレパラグライダー気象予測のまとめです。あすも引き続き不安定な大気の状態がつづきます。前線の影響や湿った空気、そして日中の気温上昇などによって大気の状態は不安定です。上層では気圧の谷が通過します。その影響でグランボレのある群馬県北部は北風の可能性が高いです。南から南東向きのグランボレではフライトに適さない風向きになることが予想されます。
【実際のフライト気象条件との差異について】
信頼できた部分
・北風によるフライト不可
・北風の強まり。
信頼に欠けた部分
・予想以上に南風が持続したこと。特に地表付近。
・接地型逆転層?
【実況高層天気図からの解析】
【アジア500hPa・300hPa高度・気温・風・等風速線天気図】

今日の午前中の実況図です。300・500hPaの解析です。
300hPaジェット・500hPa強風軸
・ジェット(60KTから80KT強風)はバイカル湖あたりをほぼ西に進んで南下。
・沿海州付近まで南下したのちオホーツク海へ向かう北上。
・寒冷渦の周辺でジェットが強化されている。
・ジェットコアが明瞭で強いのも継続中。
・500hPaで強風軸は蛇行とトラフによって南下。
寒冷渦
・北上の傾向がみられる。アムール川下流。サハリン付近で明瞭。
・5580mマイナス21℃以下の寒気を伴う寒冷渦
・ジェットコアが継続。寒冷渦として発達する傾向が続く。
日本付近のトラフとリッジ
・東日本全域は深いトラフ
・朝鮮半島の東に高気圧中心があって日本の西はリッジ。
・アムール川上流5700m付近でトラフが明瞭となった。
その他リッジとトラフ
・日本のはるか東で非常に背の高いリッジ5940mが継続している。
・引き続き寒冷渦の傾向に注意
寒気(上層気温)
・日本付近は500hPaでマイナス4℃以下を観測している地点が見られる。
・輪島マイナス4.3℃、舘野(つくば)マイナス6.9℃
上層寒冷低気圧
・
まとめ
・上層はトラフの通過後でリッジの全面。中国大陸東北区付近のリッジから日本へ吹き込む風できたから北西の風が強く吹いています。この高度場は前日の予測通りでした。南風が地表で持続した要因は別の要素があったのではないでしょうか?
【アジア850hPa・700hPa高度・気温・風・湿数天気図】

今日の午前中の実況図です。700・850hPaの解析です
湿数
・700hPa日本付近湿数が大きい。観測値で輪島35.0、館野40.0
・他の観測地点特に東北から関東にかけて露点差が大きく乾いた風が移流した。
・850hPaは異なり太平洋沿岸部で小さい。特に館野は2.2と小さい
風速と風向
・700hPaで北から北西の風。
・850hPaで太平洋沿岸部は北東から北の風が20KTと強い。
・台風15号接近の影響か。
温度分布
・観測地点で18℃から19℃を記録している場所も多くみられる。
・昨日にくらべると下層の気温はやや下がったが以前高い状態で継続。
まとめ
・湿数は中層700hPaで非常に大きくなっており本日のグランボレ付近で吹いた風は乾いた北風であったと推測できます。
・比較して850hPaでは台風に由来する北から北東の風が太平洋沿岸部を中心に吹いていて湿数の小さいエリアがありました。
・上昇風、正渦度の可能性、地表気温の推移、下層暖湿気などが地表逆転層にどのように影響したか?
【極東850hPa気温・風、700hPa上昇流/500hPa高度・渦度天気図】

今日の午前中の実況図です。
500hPa正渦度分布など
・正渦度極大域がトラフに沿って移流。北海道付近から東北の太平洋沿岸部に広がりを見せている。
・東日本・中部地方などは負の渦度。
700hPa上昇流
・700 hPa鉛直流解析で東北地方の沿岸部を中心に上昇域を解析。
・東日本には上昇域が解析されていない。
850hPa気温
・18℃等温線は南下して近畿地方あたりまで後退。
まとめ
中層の鉛直流解析では強い上昇域は東北地方に集中。東日本付近は上昇域が解析されておらず、対流による中層の雲を発達させる状況ではなかった。暖気はやや南下して弱まった。
【アメダス沼田】

11:00ごろに北風が優勢になりそのまま強い北風が継続していることがわかります。じつは気温は昨日よりも上昇。乾いた北風の影響で体感温度は低めでした。ただしここにポイントがあるように思います。昨日の気温推移は8:00で24.4℃→10:00で29.1℃→12:00で30.1℃でした。そして本日は8:00で23.5℃→10:00で28.6℃→12:00で31.6℃となりました。その後も強い日差しの影響で気温は上昇。本日の方が最高気温は高かった原因は雷雨等の不安定要素がなかったことで日照時間が長かったことだと思います。午前中の気温上昇が緩やかだったのは下層に暖かい空気の流れ込みが少なく、やや冷たい空気が残っていたことではないかと推測しています。地表付近の空気があたためらるまでにかかった時間が長かったことと中層に上昇流が解析されていないことから、対流が抑えられて地表付近の空気が流動しにくい、「地表付近で逆転層が短時間維持される」状態になりやすかったのではないかと考えています。
【昨日の下層暖湿気の予想振り返り】

昨日の下層暖湿気移流予想で850hPa1500m付近に348K相当温位が一時的に見られなくなることが予想されていました。朝のうちに低い雲が残っていたのは相当温位の移流ではなく、昨日の雷雨による冷たく湿った空気が残っていて日照とあわせて上昇、雲になって残る。日射が遮られて昇温しにくい状態。逆転層が維持される要因の一つになっていたのではないでしょうか。
【実際のフライト気象条件との差異についての考察まとめ】
・500hPaで昨日よりもやや気温がマイナス6℃が朝から観測された地点があり上層は冷たい。
・500hPaでトラフだが東日本は正渦度域にならず上層の雲は少なく日射が強い。
・700hPa中層の湿数が小さく乾いた空気の移流が解析されている。
・700hPaで対流が起きる可能性は小さかった。
・特に下層の850 hPaで高相当温位が南へ押し下げられる風の流れ
短時間ではあるが地表に近い接地逆転層が維持されていたその間のみ本流の北風の影響がなく、弱い朝の谷風で南風になったのではないでしょうか。



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