8月13日(木曜日)グランボレ:パラグライダーフライトレポート
- 小林晋

- 8月13日
- 読了時間: 6分
今日のグランボレ:パラグライダーフライト実績
飛行可否 | 可。ただし不安定でした。ゲレンデも不安定な風。 |
おすすめ時間 | 午前中。ただし雨に降られた可能性あり。 |
注意点 | 対流不安定による雷雨 |
予報信頼度 | 信頼できた。 |
講習生お勧めポイント | 経験者であれば午前中はフライトできていた可能性あり。 |
ソアリング・XCポイント | 晴れ間が続きましたがチャンスがあったかどうか微妙です。 |
【グランボレ:パラグライダーフライトレポート】
今日は非常に不安定な天気でした。お客様の希望もあって、AM07:40に集合してタンデムフライトからスタート。雲底高度があがったので無事にフライトできました。ただし写真の通りで低い雲が地表にあります。その後は気温の上昇と共に露点差が大きくなって地表の雲は消滅。一気に昇温します。赤城山・子持山あたりは雲が発達していずれも南面、前橋や渋川あたりで降水を観測。
その後もフライトコンディションを見つつ、初飛びのチャンスを探していましたが、メインゲレンデも風向が安定しません。雲が狭い場所で急速に発達して雨が降ってきたりもあり。なんとか浮遊体験のみをご案内。目まぐるしく変わる気象条件を前に初飛びは断念しました。残念ですが次回に期待です。
お昼以降は不安定度が増して急な雨。雷。また晴れ間もやってきたり、暑くなったり涼しくなったりとお天気に振り回された1日でした。


【今日のグランボレ:フライトコンディション解析と反省点】
【昨日公開したパラグライダー気象予測とフライトコンディション予想比較】
飛行可否 | 可(ただし時間によっては雨の可能性あり) |
おすすめ時間 | 午前中の方が降水リスクが少ない。 |
気象リスクについて | 低い雲底高度。にわか雨。午後の雷雨リスクがやや高い |
予報信頼度 | やや信頼度に欠ける。 |
講習生お勧めポイント | 午前中の早い時間に雲底が上昇すれば穏やかなフライトの可能性がある。 |
ソアリング・XCポイント | 不安定な大気でソアリングチャンスはあるが、雲底高度は低い。 |
明日のグランボレパラグライダー気象予測のまとめです。明日は限定的ですがフライトできるチャンスがあると予想しています。グランボレも台風の影響が残ります。本日も非常に不安定な天候が続きましたが明日もその傾向が続きます。台風15号は熱帯低気圧となりましたがその熱帯低気圧と上空寒気の影響により、大気の状態が不安定な状態が続く予報となっています。グランボレのある群馬県北部では南からの湿った風の影響がありそうです。特に山岳地域は地形的な上昇風によって雲が発達しやすい予報傾向です。このため低い雲底高度や上層寒気の影響が強い場合は雷雨リスクが高まりますので十分注意してフライトするようにしましょう。
【実際のフライト気象条件との差異について】
信頼できた部分
・低い雲底高度
・雷雨のリスク
信頼に欠けた部分
・飛べそうなんだけど飛べない。
・局地的な雲の発達と降水分布。
【実況高層天気図からの解析】
【アジア500hPa・300hPa高度・気温・風・等風速線天気図】

今日の午前中の実況図です。300・500hPaの解析です。
300hPaジェット・500hPa強風軸
・ジェット(60KTから80KT強風)は緩やかな蛇行。
・アムール川下流付近に南下したのちサハリンの北まで北上する。
・500hPaで強風軸は高度が下がって5700m高度線付近。50KT(92km/h)以上を観測している。
寒冷渦
・寒冷渦のコアが小さくなった。
・ジェットコアの風速がおさまりつつあるので徐々に不明瞭になると予測。
・500hPaでは不明瞭になりトラフと一体化しているように見える。
・中心の寒気もマイナス15℃と弱くなった。
日本のトラフとリッジ
・東・北日本は千島近海に中心がある高気圧から北へリッジ。
・東日本から西日本は熱帯低気圧の影響でトラフ
・アムール川上流5700m付近でトラフが明瞭となった。
その他リッジとトラフ
・日本のはるか東に顕著だった背の高いリッジは不明瞭になった。
・日本海に中心があってほとんど停滞していた高気圧は不明瞭になった。
寒気(上層気温)
・日本付近は上層でやや強い寒気が観測されている。
・輪島マイナス6.3℃、舘野(つくば)マイナス7.9℃
上層寒冷低気圧
・
まとめ
・今日は台風によって運ばれて切り離された上層の寒気が観測されています。とくに舘野(つくば)で低くこの時期としてはやや強めの寒気マイナス7.9℃を観測。北陸でも寒気が観測されています。日本の上層、特に500hPa(5500m)付近に取り残された寒気の影響で今日の天候が非常に不安定だったと考えています。ただしこれだけの雷雨と不安定な雨をもたらすには下層にそのエネルギーをもった大気(温度・湿度)があることが条件になるので中層・下層も見ていきます。
【アジア850hPa・700hPa高度・気温・風・湿数天気図】

今日の午前中の実況図です。700・850hPaの解析です
湿数700hPa・850hPa
・700hPaでは湿数が小さいエリアは限定的だった。
・ただし秋田で1.6、舘野(つくば)で2.1、八丈島で2.2太平洋沿岸部では湿数が小さいエリア。
・850hPaでは舘野(つくば)で1.6、東日本の広い範囲で湿域を解析している。
・熱帯低気圧の影響で近畿から中国地方も湿域が広い。こちらは北からの移流。
風速と風向
・700hPaで南東から東よりの風で20KT。
・850hPaで南東から南の風。
温度分布
・850hPaでは観測地点で17℃から18℃を記録している。
・700hPaでは8℃から6℃ぐらいを記録している。
まとめ
・湿数は中層700hPaで地域差が大きく、特に舘野(つくば)で小さい、湿域としては解析されていないが風向きを考えると南東向きに暖湿流が流れ込んだと推測できる。
・850hPaでは湿数の小さいエリアが広範囲で観測され湿域が解析されている。南から南東向きに下層暖湿気が移流したと推測できる。上層の寒気の強さを考えると大気の状態が非常に不安定で、下層から中層にかけて湿潤空気が移動したことが考えられる。
【極東850hPa気温・風、700hPa上昇流/500hPa高度・渦度天気図】

今日の午前中の実況図です。
500hPa正渦度分布など
・正渦度極大域が熱帯低気圧によって移流。関東地方から西に広がりを見せている。
・北海道から東北の一部は正渦度分布は見られない。
700hPa上昇流
・700 hPa鉛直流解析で関東地方の沿岸部を中心に上昇域を解析。
・東北地方日本海側にも上昇域を解析。
850hPa気温
・18℃等温線は東北日本海側に北上。
まとめ
中層の鉛直流解析では強い上昇域は関東地方南部から太平洋沿岸部と東北日本海側に広く解析。下層の湿潤空気を上昇させるポテンシャルがあったと考えられる。
【昨日の下層暖湿気の予想振り返り】

昨日の下層暖湿気移流予想で昨夜から今朝にかけて342Kの高い相当温位が南東の風で移流する予想となっていました。今朝の低い雲、気温上昇して雲が一時的に消失。地形的な上昇風と昇温による対流強化があって本日の不安定な天候になったと考えられます。
【実際のフライト気象条件との差異についての考察まとめ】
・500hPaでマイナス6℃以下が観測された地点がある上層は冷たい。
・500hPaで東日本は正渦度域。上昇流が強化されやすい大気の状態。
・850hPaで下層暖湿気の移流があり、700hPaの一部でも湿数が小さい。
・下層から中層にかけての鉛直流解析でも上昇域を解析。
下層暖湿気の移流と上層寒気。強い南から南東向きの風。地形的(南東斜面での上昇風強化)な要因。これらが重なったことで本日の不安定な天候になったと考えています。



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