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8月14日(金曜日)グランボレ:パラグライダーフライトレポート

  • 執筆者の写真: 小林晋
    小林晋
  • 8月14日
  • 読了時間: 7分

今日のグランボレ:パラグライダーフライト実績

飛行可否

可。ただし不安定でした。

おすすめ時間

午前中。雨にも降られずソアリングできた。

注意点

午後は対流不安定による雷雨リスクが高まった

予報信頼度

信頼できた。

講習生お勧めポイント

午前中からお昼にかけてフライトできました。

ソアリング・XCポイント

雲底高度が1200Mぐらい。ソアリングできました。

【グランボレ:パラグライダーフライトレポート】

不安定な天気でした。前日から予約時間を調整して午前中の早い時間にスタートできるように準備。メインランディングからテイクオフにかけて低い雲が滞留しますが、徐々に日差しがでて気温が上昇。雲が消滅してテイクオフが綺麗に見えるようになりました。その頃ゲレンデではお盆休みらしく家族連れの浮遊体験がスタート。お昼ぐらいまでやや風が不安定。谷川や日光では雨を記録していたようです。フリーフライトのグランボレメンバーが入山してフライト。この時間が南風で安定してよかったです。その後は赤城・武尊方面で急速に雄大積雲が発達して降水バンドが確認できたのでランディングをお願いしました。その後雷を観測。フライトはせずに終わりました。結果としては前日のコンディション予想よりも安定していた実績です。その辺りをのちほど振り返るつもりです。



【今日のグランボレ:フライトコンディション解析と反省点】


【昨日公開したパラグライダー気象予測とフライトコンディション予想比較】

飛行可否

可(ただし常に降水リスクを伴う)

おすすめ時間

午前中の早い時間の方が降水可能性は低い

気象リスクについて

低い雲底高度。にわか雨。午後の雷雨リスクがやや高い

予報信頼度

やや信頼度に欠ける。

講習生お勧めポイント

午前中の早い時間に雲底が上昇すればフライトの可能性がある。

ソアリング・XCポイント

不安定な大気でソアリングチャンスはあるが、雲底高度は低い。

明日のグランボレパラグライダー気象予測のまとめです。明日は限定的ですがフライトできるチャンスがあると予想しています。本日も非常に不安定な天候が続きましたが明日もその傾向が続きます。原因となるのは上空寒気が引き続き残ること。千島近海に中心がある高気圧から南回りに吹き込む暖かく湿った空気の影響があります。。グランボレのある群馬県北部では南からの湿った風の影響がありそうです。特に山岳地域は地形的な上昇風によって雲が発達しやすい予報傾向です。このため低い雲底高度や上層寒気の影響が強い場合は雷雨リスクが高まりますので十分注意してフライトするようにしましょう。


【実際のフライト気象条件との差異について】

信頼できた部分

・低い雲底高度

・雷雨のリスク

・ソアリングポイントもほぼ予想通り。

信頼に欠けた部分

・降水リスクは午後になっても思っていたほどではなかったこと。

・雷雨のリスクも午後の遅い時間で限定的だった。


【実況高層天気図からの解析】

【アジア500hPa・300hPa高度・気温・風・等風速線天気図】

今日の午前中の実況図です。300・500hPaの解析です。

300hPaジェット・500hPa強風軸

・ジェット(60KTから80KT強風)は蛇行傾向だが変化あり。

・中国大陸をほぼ曲がらずにまっすぐ東へ吹いたのちカムチャッカの東まで北上する。

・500hPaで強風軸は5700mから5640m付近で寒冷渦に向かうよう50KT(92km/h)以上を観測。

寒冷渦

・沿海州付近の寒冷渦は不明瞭になり、沿海州あたりのトラフも弱くなった。

・カムチャッカの東。5580m付近で寒冷渦が新たに形成された。

日本のトラフとリッジ

・東・北日本は千島近海に中心がある高気圧から北へリッジが継続中。

・沿海州付近に弱いトラフ

・日本海にトラフ(台風後の熱帯低気圧)で300hPaでは不明瞭

その他リッジとトラフ

・アムール川場流付近5700mkara5640m付近にトラフがあり東へ進む

・日本海に中心があってほとんど停滞していた高気圧は不明瞭になった。

寒気(上層気温)

・日本付近は上層でやや強い寒気が観測されている。

・輪島マイナス7.9℃、舘野(つくば)マイナス6.1℃

上層寒冷低気圧

まとめ

本日も上層で強い寒気が観測されています。舘野(つくば)や北陸で寒気が観測されています。日本の上層は500hPa(5500m)付近に取り残された寒気の影響が継続しています。ただし昨日より降水と雷雨リスクは限定的で群馬県北部、みなかみ町に大きな影響はありませんでした。不安定な雨をもたらすには下層にそのエネルギーをもった大気(温度・湿度)があることが条件になるので中層・下層も見ていきます。


アジア850hPa・700hPa高度・気温・風・湿数天気図

今日の午前中の実況図です。700・850hPaの解析です

700hPa・850hPaの湿数と湿域

・700hPaでは湿数が小さいエリアは限定的だった。

・ただし東日本の太平洋沿岸部には湿域が解析されている。

・850hPaでは様相が異なり舘野(つくば)で1.0を観測する。東日本の広い範囲で湿域を解析。

・下層暖湿気の移流はあったと判断して良い

風速と風向

・700hPaで東から南東風で10KT(18km/h)で強い風ではない

・850hPaで東から南東風で強い風ではなかった。(想定したより弱い風速だった)

温度分布

・850hPaでは観測地点で17℃から18℃を記録している。

・700hPaでやや高く8℃から9℃ぐらいを記録している。

まとめ

・湿数は中層700hPaで地域差が大きく、東日本の太平洋沿岸部で湿域として解析されています。

・700hpa湿域は広範囲ではなかった。中層はそれほど湿潤大気ではなかった可能性がある。

・850hPaでは様相が異なり広範囲で湿域が解析されている。昨日よりも東寄りの風に変わり下層暖湿気の移流があったことがわかる。ただし風速は昨日よりも弱かった。


極東850hPa気温・風、700hPa上昇流/500hPa高度・渦度天気図

今日の午前中の実況図です。

500hPa正渦度分布など

・正渦度極大域が関東の北部あたりにみられる。

・日本のほとんどの範囲は正渦度で上昇域が形成しやすい大気の状態だった。

700hPa上昇流

700 hPa鉛直流解析で北海道を除く日本の広い範囲で上昇域が解析されている。

・東北地方日本海側にも上昇域を解析。

850hPa気温

・18℃等温線は東北日本海側に北上。

まとめ

中層の鉛直流解析では強い上昇域は北海道を除いて広く解析されている。下層の湿潤空気を上昇させるポテンシャルは十分だった。実際のところ雲底高度は上がらず雲頂は高い雲。対流強化はあった。雨の観測も雷もあったので、十分に今日の不安な大気を裏付けていると考えられる。


昨日の下層暖湿気の予想振り返り

昨日の下層暖湿気移流予想で昨夜から今朝にかけて336Kから342Kの高い相当温位が南東の風で移流する予想となっていました。今朝の低い雲、気温上昇して雲が一時的に消失。地形的な上昇風と昇温による対流強化があったと考えて良い。ただし実際の南からの移流の風は思っていたほど強くなかった。つまり風速が弱くなった分、上昇成分が昨日より弱かったことが考えられる。

本日のアメダス観測データ

こちらが本日のアメダス沼田地点の観測データです。特に06:00から12:00ぐらいまで非常に風速が弱かったことがわかっています。このときゲレンデは西から北西寄りの風に変わることもありました。また地表気温の上昇がそれほど大きく上昇せず、最高気温に達したのが15:00と比較的遅い時間だったことも対流エネルギーが強まらなかった要因の一つかと考えています。


【実際のフライト気象条件との差異についての考察まとめ】

・500hPaでマイナス6℃以下が観測された地点があって上層の寒気は継続。

・500hPaで日本は全体的に正渦度域かつ関東は正渦度極大域。上昇流が強化されやすい大気の状態だった

・850hPaで下層暖湿気の移流があった。そのため下層に湿域がひろがった。

・下層から中層にかけての鉛直流解析でも上昇域を解析。

・ただし下層暖湿気の強さは前日までより弱く、地形的な上昇がよわくなった。気温の上昇ピークが遅くなった。しかし一度上昇が始まると中層から上層に上昇域があって雲を発達させるポテンシャルは十分にあった。

まとめると、予想していたよりも雷雨リスクはすくなかった。その要因の一つは下層暖湿気移流の風の強さが弱まったことと気温上昇のピークがずれていたこと。ただし大気の不安定な状態は継続しており結果としては雷も降水も観測。フライトするべき時間を選ぶ難しい気象条件だったと思います。






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