top of page

8月8日(土曜日)グランボレ:パラグライダーフライトレポート

  • 執筆者の写真: 小林晋
    小林晋
  • 8月8日
  • 読了時間: 8分

今日のグランボレ:パラグライダーフライト実績

飛行可否

可。ソアリングもできたが限定的。お昼からは不可

おすすめ時間

早朝。午前中の早い時間のみ。

注意点

予想よりも雷雲の発達が早く10:30ごろには落雷を確認。

予報信頼度

やや信頼感に欠けました。もう少し落雷の可能性に言及すべき。

講習生お勧めポイント

基礎練習を早い時間にできました。

ソアリング・XCポイント

雲底高度は1200m。不安程度が高くソアリング中止。降下しました。

【グランボレ:パラグライダーフライトレポート】

今日は朝から雲底高度が低かったです。前日の予想でも下層大気に暖かく湿った空気が入る影響を予想はしていました。そこから気温が上昇すると露点差が大きくなり低い雲底高度は解消。日射が回復。そこから気温がさらに上昇。山岳地域では急速に積雲が発達していきます。


小林がウィンドダミーを兼ねてテストフライト。まずは練習フライトからスタートします。

ここは順調にフライトできました。このあたりでパイロットソアリング組も合流してテイクオフへ。積雲の成長が早く、小林は実況の天気を見守ることに。2本目のフライトスタート。パイロットのみなさんはサーマルをとらえて上がっていきます。積雲はみなかみ藤原方面や三国方面で急速に発達。これはもう時間との勝負。どこで降りるか。

その判断をしながら雲を観察している頃に落雷を観測。幸いにしてまだ遠い地点だったので慌てずに着陸するように指示。講習生もビッグイヤー降下手段を練習しながらランディング。高高度フライトはここまでとなりました。

スクール生はその後にフライト実技のシミュレーション。これがなかなか面白いのでみなさんぜひ練習に来て体験してみてください。



その後は雷雨。一気に涼しくなりました。不安定になるだろうとは思っていましたがもう少し飛びたかったのが本音ですね。


【今日のグランボレ:フライトコンディション解析と反省点】


【昨日公開したパラグライダー気象予測とフライトコンディション予想比較】

飛行可否

フライト可ただし前線の影響を受ける。

おすすめ時間

午前中からお昼。午後は相対的に不安程度があがる。

注意点

朝の雲底高度。前線。山岳地域での谷風強化による不安定。

予報信頼度

信頼できるが、速報天気図など最新予報の確認が必要。

講習生お勧めポイント

早い時間の基礎練習。

ソアリング・XCポイント

ソアリングも可。ただし不安程度は高く雷雲などに警戒が必要。

明日のグランボレパラグライダー気象予測のまとめです。あすも引き続きフライトできそうです。ただし不安定な天候になることが予想されます。昨日まで大きな高気圧に覆われて上層の温度が高く安定した大気の状態が続いていました。あすは日本海から東北地方へのびる前線の影響を受けます。前線面にむかう暖かく湿った空気の流れが強まりグランボレがある群馬県北部では朝から雲が多くなると予想されます。みなかみでは山岳地域が多く対流が強まることが予想されお昼頃から影響があるかもしれません。日中から午後にかけては地表の昇温の影響で対流雲が発達する可能性があります。パラグライダーのフライトは十分可能でソアリング可能性も高いですが雷雨や谷風の強まりに十分注意が必要です。


【実際のフライト気象条件との差異について】

信頼できた部分

・朝から雲が多い解析は的を得ていました。前線面に向かう暖かく湿った空気もほぼ予想通りでした。

実際に雷雨の可能性に触れてフライトをコントロールしていたこと。リスクを含むフライト条件であることから観天望気とレーダー監視に集中していた

信頼に欠けた部分

・予想と異なっていたのが、山岳地域での対流の強まりが想定よりだいぶ早い時間で起こったことでした。最終的な予測で積乱雲の発達・雷雨の予想に言及していましたが、上層の気温がそこまで冷たくなかったこと。中層の上昇流の強さがそれほど強い予想ではなかったこと。から下層湿潤空気の上昇がsこまで早い時間に高い高度に達すると考えていませんでした。ただしグランボレ周辺は谷と山岳地域のコントラストがあり山岳地域での対流強化→谷風の強まり→より下層からエネルギーとなる下層暖湿気が供給されて上昇→積乱雲発達というサイクルかと考えています。実際にはそこまで谷風の強まりはなかったので上層も不安定(寒気)だった可能性も考えていたいと思います。


【実況高層天気図からの解析】

【アジア500hPa・300hPa高度・気温・風・等風速線天気図】

今日の午前中の実況図です。300・500hPaの解析です。

300hPaジェット・500hPa強風軸

・ジェット(60KTから80KT強風)バイカル湖あたりを西に進んで南下

・沿海州付近からサハリンあたりで北上。カムチャッカ半島方面にむかう

・500hPaで強風軸はジェットに対応して強化されている。50KT以上の強い風速を観測している。

寒冷渦

・アムール川下流。サハリン付近で明瞭。

・5580mマイナス18℃以下の寒気を伴う寒冷渦

日本付近のトラフとリッジ

・東日本は弱いリッジ場

・日本海付近に弱いトラフが進んでいる。

・千島の東5880m背の高いリッジがある。

その他リッジとトラフ

ジェット気流の流れと高度場から日本は天気が周期変化する可能性。

・ただし寒冷渦の傾向に注意

寒気(上層気温)

・日本付近は500hPaでマイナス4℃以下を観測している地点が見られる。

・輪島マイナス4.9℃、舘野(つくば)マイナス4.0℃

上層寒冷低気圧

・中国大陸の華南地方にも上層寒冷低気圧。

まとめ

・予想以上の不安程度(積乱雲の早期発達、そして雷雨)について。昨日の予想よりも高層観測地点の実測データの気温が下がったことが大気の不安程度に影響を与えた可能性があります。この上層の冷たさと中層対流と下層暖湿気の関係性については後ほど考察。寒冷渦から伸びるトラフの影響と地上前線の強さも考える必要がありそうです。

・明日もこの傾向が続きそうです。寒冷渦からのトラフの影響をよく見る必要がありそうです。


アジア850hPa・700hPa高度・気温・風・湿数天気図

今日の午前中の実況図です。700・850hPaの解析です

湿数

・700hPa日本付近に湿数の小さいエリアの観測がある。輪島3.2、そして舘野3.7

・WET AREAとして表示されない数値ではあるがそれに準じる数値として扱うべき。

・850hPa輪島で湿数が小さい(0.9)

風速と風向

・700hPaでは北海道付近がやや強い西から西南西の風で20KT以上を観測している。

・日本海側は西風の観測が多く、太平洋側は南東の風。台風を回る風。

・台風に近い九州南部では50KTを観測。猛烈な風が吹いている。

温度分布

・観測地点で20℃から19℃を記録している場所も多くみられる。

・下層の大気は暖かい状態だった。

まとめ

・湿域として明瞭ではなかったが、観測地点において湿数が小さいエリアがあった。特に舘野・輪島で湿数が小さく群馬県北部もそのエリア内にあった可能性があり昨日の予想以上に湿潤な大気の状態。積乱雲や雷雨発達する可能性があったことを示していると考えられます。

・この高層図だけでは明瞭ではないが、上層のトラフによる西風と台風、東の高気圧による東向きの風のウィンドシアーが存在していた可能性を疑っています。


極東850hPa気温・風、700hPa上昇流/500hPa高度・渦度天気図

今日の午前中の実況図です。

500hPa正渦度分布など

・日本は北陸の一部に正渦度の分布があるが限定的。

・正渦度分布は5820m付近の強風軸にみられる

700hPa鉛直流

700 hPa鉛直流解析で上昇域が東日本の日本海側から北海道にかけての解析されている」

・昨日の予想以上に上昇域が広がった。

850hPa気温

・18℃等温線は東北北部まで北上。下層は暖気移流が朝の時点で強かったようです。

まとめ

前日の予想よりも早い時間帯で積乱雲が発達して落雷を観測したが、その一因が昨夜から今朝にかけて早い時間での下層暖湿気移流に一因があったと考えています。


その他の資料


特に8:00から12:00までの間に気温が4℃も上昇していました。8時 27.0℃ → 9時 28.0℃ → 10時 30.5℃朝のうちこそ雲底高度が低い状態で日射が限定的でしたが、気温上昇とともに一度露点差が大きくなり地表の低い雲が消滅しました。消滅したことで強い日射が地表を加熱するとともに対流が強まったと考えれます。


昨日の下層暖湿気移流予想で850hPa1500m付近に348K相当温位の移流が予想されていました。これは上昇すればまとまった雨となる可能性をもった空気です。


【実際のフライト気象条件との差異についての考察まとめ】

・500hPaで昨日よりもやや気温がマイナス4℃が朝から観測されていたこと。

・500hPaでリッジが弱く沈降性安定層が弱く対流を強めた可能性がある。

・700hPa観測値で舘野・輪島で湿数が小さい観測値だったことから東日本の中層は、湿域表示以上に湿っていた可能性があり、群馬北部でも700 hPaが比較的湿潤だった可能性がある

・700hPaで上昇流が起きるポテンシャルだった。

850 hPaでは348 K前後の高相当温位空気が流入しており、対流が開始すれば積乱雲の発達を支える十分な熱・水蒸気が下層に存在していた。 ・午前中の気温上昇が予想以上だった

以上の理由が関係して予想より早い雷雨になったと考えています。



コメント


bottom of page