8月9日(日曜日)グランボレ:パラグライダーフライトレポート
- 小林晋

- 8月9日
- 読了時間: 7分
今日のグランボレ:パラグライダーフライト実績
飛行可否 | 可。ソアリングもできたが限定的。お昼からは不可 |
おすすめ時間 | 早朝。午前中の早い時間のみ。 |
注意点 | 予想通り積乱雲の発達が早く11:00ごろ落雷・降水を確認 |
予報信頼度 | 信頼できました。 |
講習生お勧めポイント | 基礎練習を早い時間にできました。 |
ソアリング・XCポイント | 雲底高度は1200mから1300mですがそこへ到達する前に落雷や降水を観測したためフライトを中止 |
【グランボレ:パラグライダーフライトレポート】
今日も朝から不安定な大気の状態です。昨日見ていた専門図では以下のことが予想されていました。一つ目は下層暖湿気が弱まりそうなこと。二つ目は代わりに上層はやや冷たい空気が南下してくること。この二つがどのように大気の状態・フライトのコンディションに影響したか見ていきます。これは推測ですが、みなかみの山岳地域では上層のリッジが弱まると鉛直流が強まる傾向にあると思いますのでこちらも見ていきます。
結果としては実績の通りでした。朝のうち低い雲底高度。徐々に強まる風。ただし風の強まりはそれほど強力ではなく午前中いっぱい浮遊体験が十分に体験、楽しめる程度には弱かったです。朝のうちからサーマルがかなり強力で、ベテランパイロットはすでにソアリングd気いるコンディションです。
講習生も基礎練習というよりはサーマルの感覚を掴む練習です。
1本目のフライトが終わり2本目に入ろうとするころには雄大積雲の連なりがはっきりとしてきました。谷風の強まりとの相互作用があると考えて早めのフライト中止を判断しました。このようなコンディションの時はフライトできる・ソアリングできるが重要ではなくちゃんと降下することができる技術が何よりも大切です。本音をいえばやはりもうすこし飛びたかったですね!



【今日のグランボレ:フライトコンディション解析と反省点】
【昨日公開したパラグライダー気象予測とフライトコンディション予想比較】
飛行可否 | フライト可。午前中を中心に限定的 |
おすすめ時間 | 午前中の早い時間。お昼前までと考えておきましょう。 |
気象リスクについて | 朝の雲底高度。山岳地域での谷風強化による不安定。 |
予報信頼度 | 信頼できるが、明日の予報も確認。実況観測が最重要 |
講習生お勧めポイント | 早い時間の基礎練習。涼しい時間でゲレンデ練習 |
ソアリング・XCポイント | ソアリング可。雲底高度1300mと予想。大気の不安定な状態でXCはおすすめできない。 |
明日のグランボレパラグライダー気象予測のまとめです。あすも引き続き不安定な大気の状態。フライトは可能ですが注意が必要な天候になることが予想されます。明日も引き続き、気圧の谷、湿った空気、中層の上昇流強化。逆転層・安定層が弱い。そして日中の気温上昇と雷雨のリスクとなる要因のいくつかが重なっています。ソアリングの可能性ももちろん期待できますがフライトをどこで止めるのかが重要な判断となる天候になりそうです。
【実際のフライト気象条件との差異について】
信頼できた部分
・朝から雲が多い解析は的を得ていました。前線面に向かう暖かく湿った空気もほぼ予想通りでした。
実際に雷雨の可能性に触れてフライトをコントロールしていたこと。リスクを含むフライト条件であることから観天望気とレーダー監視に集中していた。もちろんお昼以降もフライトのチャンスがなかったわけではありませんが、場所と時間によって不安定な風の状態となっていました。
信頼に欠けた部分
・下層暖湿気移流が実際はどうだったのか?
・気温上昇との関係性。
・上層大気の構造について
【実況高層天気図からの解析】
【アジア500hPa・300hPa高度・気温・風・等風速線天気図】

今日の午前中の実況図です。300・500hPaの解析です。
300hPaジェット・500hPa強風軸
・ジェット(60KTから80KT強風)バイカル湖あたりをほぼ西に進んで南下。
・沿海州付近まで南下したのちオホーツク海へ向かう北上。
・ジェットコアが明瞭で強い。
・500hPaで強風軸はジェットに対応して強化されている。50KT以上の強い風速を観測している。
寒冷渦
・アムール川下流。サハリン付近で明瞭。
・5580mマイナス21℃以下の寒気を伴う寒冷渦
・ジェットコアがあり寒冷渦として発達する傾向が続く。
日本付近のトラフとリッジ
・北海道はトラフ
・東日本・東北はゾーなる
・千島の東5880m背の高いリッジがある。
その他リッジとトラフ
・ジェット気流の流れと高度場から日本は天気が周期変化する可能性。
・ただし寒冷渦の傾向に注意
寒気(上層気温)
・日本付近は500hPaでマイナス4℃以下を観測している地点が見られる。
・輪島マイナス6.7℃、舘野(つくば)マイナス4.5℃
上層寒冷低気圧
・中国大陸の華南地方にも上層寒冷低気圧。
まとめ
・今日の雷雲・積乱雲の発達と衰退のサイクルについての上層の影響ですが昨日の予想よりも高層観測地点の実測データの気温が下がったことが最も大きな影響だったと考えています。ただし発達はした。一部で雷雨にもなった。ただ全体的な雷雨の強さについては昨日の方がはるかに不安定だったと思います。対流は活発だったが積乱雲になるエネルギーが限定的だった、つまり「下層暖湿気がよわまっていたのではにかという仮説をたててこの後の解析を続けてみます。
【アジア850hPa・700hPa高度・気温・風・湿数天気図】

今日の午前中の実況図です。700・850hPaの解析です
湿数
・700hPa日本付近に湿数の小さいエリアの観測がある。輪島3.0、そして舘野3.7
・WET AREAとして表示されない数値ではあるがそれに準じる数値として扱うべき。
・850hPa輪島で湿数が小さい(0.4)館野も小さく2.4
風速と風向
・700hPaで北海道付近西から西南西の風。
・東北から東日本にかけては東風。
・台風がやや離れたことで九州地方の強い風はおさまっている。
温度分布
・観測地点で18℃から19℃を記録している場所も多くみられる。
・昨日にくらべると下層の気温はやや下がったが以前高い状態で継続。
まとめ
・湿域として明瞭ではなかったが、観測地点において湿数が小さいエリアがあった。特に舘野・輪島で昨日よりも湿数が小さい観測があった。群馬県北部も東日本の中層は、湿域表示以上に湿っていた可能性があり、群馬北部でも700 hPaが比較的湿潤だった可能性がああります。
・この高層図だけでは明瞭ではないので下層暖湿気と気温上昇の関係を見るべきだと考えています。
【極東850hPa気温・風、700hPa上昇流/500hPa高度・渦度天気図】

今日の午前中の実況図です。
500hPa正渦度分布など
・正渦度域が北海道から日本海にかけてと関東の南沿岸部に見られる。
700hPa上昇流
・700 hPa鉛直流解析で上昇域が日本の日本の広い範囲で解析されている。
・昨日の予想以上に上昇域が広がった。
850hPa気温
・18℃等温線は東北北部まで北上。
まとめ
本日も継続的に積乱雲が発達。落雷を観測し一部地域で雨を観測しています。下層から中層にかけて上昇域が広範囲に解析されている要因はやはり気温の上昇と上層に寒気が弱いながらも入ってきたことによるものと考えています。
【アメダス沼田】

実は昨日よりも気温の上昇が緩やかでした。ただし8:00で24.4℃→10:00で29.1℃→12:00で30.1℃。地点観測の風速はあまり強まっておらず山岳地域での谷風強化の要因と一致せず。日照時間が長く地表音の上昇そのものが対流のエネルギーになったようです。
こちらが昨日の記録。
8時 27.0℃ → 9時 28.0℃ → 10時 30.5℃朝
ただし昨日のようなゲリラ雷雨とはなりませんでした。
【昨日の下層暖湿気の予想振り返り】

昨日の下層暖湿気移流予想で850hPa1500m付近に348K相当温位の移流が予想されていました。これは上昇すればまとまった雨となる可能性をもった空気です。
【実際のフライト気象条件との差異についての考察まとめ】
・500hPaで昨日よりもやや気温がマイナス4℃が朝から観測された地点があり上層は冷たい。
・500hPaでリッジが弱く沈降性安定層が弱く対流を強めた可能性があって対流可能性は十分。
・700hPa観測値で舘野・輪島で湿数が小さい観測値だったことから東日本の中層は、湿域表示以上に湿っていた可能性があり、群馬北部でも700 hPaが比較的湿潤だった可能性がある
・700hPaで上昇流が起きるポテンシャルは十分だった。
・ただし昨日に比べて850 hPaで高相当温位が入り込んでいない予想であり、仮に対流が起こっても発達するだけのエネルギー・水分量としてはこれを支えられず、昨日の方がより湿潤大気だった。
・結論として実際に雷雨になったものの、平野部では昨日ほど継続せず山岳地域に限定的だったと考えています。



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